世間的には「フリーターをするくらいなら正社員になったほうがいい」という意見が多いと思います。実際、私がフリーターをしていた時も正社員になる前提でアルバイトをしていました。
しかし、フリーターは悪いところばかりなのでしょうか?
私の学生時代のアルバイト先には多くのフリーターがいて、この人たちはあえてフリーターとしての働き方を選択していました。そして一緒に働く中で、フリーターという働き方にもメリットが存在すること知りました。
そこで今回は、あえてフリーターでいることにどんなメリットがあるのか、私が経験して知ったことを書いていきたいと思います。
フリーターにはこんなメリットがある
以下は、私のアルバイト先にいたフリーターの人たちと話して感じたフリーターでいることのメリットです。
夢との両立ができる
Aさんはアラフォーで、ずっと舞台でお芝居をしていました。定期的に公演も開くほどで、とても本格的にお芝居を行っていまいした。
しかし、好きなことだけして稼ぐことも難しいらしく、生活費を補うために別にアルバイトをしていました。
ただ、フリーターならばこのように自分が本当にしたいこと、“夢”、を追い続けながら生きていくことが出来ます。特にシフト制のアルバイトならば自由に働く時間を決められるので、お芝居の稽古を優先した活動も可能です。
話は変わりますが、売れないお笑い芸人なんかも、アルバイトで生計を立てながらお笑いの道を突き進んでいる人も多いですよね。
もし正社員になってしまったら、その仕事が自分のしたいことであればいいですが、大抵の場合は自分に夢があっても諦めなければならなくなります。
そういったことから、フリーターでいることには夢を追い続けることが出来るメリットがあるのです。
組織で働きたくない人には打って付け
Bさんは20代後半の青年。この人は私と同じアルバイトのほかに、清掃など2つほどバイトを掛け持ちしていました。大学を卒業してからは実家暮らしでずっとアルバイトをしているそうです。
アルバイト先からの帰る方向が同じなので、何度か一緒に帰ったことがあったのですが、ある時にBさんはこんなことを漏らしていました。
「人の下で働くのって嫌じゃない?俺は独立するための資金集めとして今フリーターやってるんだよね」
この時の私は学生だったので、「アルバイトだって人の下で働くじゃん」「そんなことより正社員として働いたほうが絶対いいじゃん」と思っていたのですが、今ならBさんの言っていたことが分かります。
正社員になると上司と部下の関係がハッキリとして、私のように嫌な上司に当たってしまうと苦痛でなりません。逆にアルバイトであればいつでも辞められますし、先輩がいたとしてもそこまで気を使う必要もないので気楽です。
そのため、組織の中で堅苦しく働きたくない人や、無機質な日本の歯車のように働きたくない人にとってはフリーターとしての生き方が合っていると思います。
休日をコントロールして旅行に行ける
もしシフト制のアルバイトなら、「今月は旅行がしたいな」と思えばそれに合わせて連休を作ることが出来ます。
実際、Cさんは韓国に旅行に行ったり、東京から名古屋までロードバイクの旅をしたりしていました。
好きな時に働いて好きな時に旅行するなんて生き方は、学生かフリーターでなければ出来ないことです。正社員の仕事でも有休を使えば多少の旅行は出来ますが、突発的な旅行や長期間の旅行は不可能です。
休みの日をコントロールできるのはフリーターの特権です。
責任が重くないから楽しく働ける
これはアルバイトの職場にもよりますが、私のアルバイト先はものすごく和やかで、いい意味でアットホームでした。のんびりした性格の人が多かったので、消極的な草食男子の私でも居心地が良いほどだったのです。
フリーターとしての働き方は正社員と比べると責任が圧倒的に少ないです。責任がない訳ではありませんが、会社に損失を与えるほどの取引を任されるようなことはないので気楽です。
なので、フリーターを続けてしまう理由は理解できました。こんなアルバイトをしていたら居心地が良すぎてわざわざ正社員になろうとなんて考えなくなってしまいます。
プレッシャーになるような大きな責任を感じることがないフリーターは、楽しく働けるという意味でメリットです。
まとめ
では、ここまでのことを簡単にまとめていきます。
【フリーターのメリット】
- 夢との両立ができる
- 組織で働きたくない人向けの生き方
- 休日を自分でコントロールして好きなことが出来る
- 責任が重くないから楽しく(気楽に)働ける
現在は非正規雇用が問題となっていますが、みんながみんな、仕方なく非正規をしているわけではないのです。
フリーターの中には、自分の理想の生き方を実践している人が多数います。将来的なことを考えれば「正社員のほうがいい」という意見もあるのでしょうが、今はこの瞬間にしかないのです。
将来よりも今を生きる選択をした人がフリーターになるのかもしれません。