「自己PRが思いつかない」
「書こうとしても手が止まる」
このように悩んで頭を抱えてしまう人は非常に多いです。
しかし、それは意欲がないからでも、経験が足りないからでもありません。
実は、“どう伝えればいいのか”がまだ整理できていないだけ、というのがほとんどです。
自己PRは、すごい実績や特別な経験がなくたって作れるんです。
大事なのは、自分がどんな人で、どんな働き方をしてきたのかを、相手に伝わる形にすること。
つまり、「考え方」と「伝え方」をちょっと工夫するだけで、ちゃんと書けるようになります。
この記事では、自己PRがうまく書けない理由を整理したうえで、どうやって自分らしさを見つけて、相手に伝えていけばいいのかを、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。
なぜ自己PRが「書けない」と感じるのか?
特別な実績がないから自信が持てない
「自己PR」と聞くと、目立つ成果や誰もが驚くようなエピソードが必要だと思い込んでしまう人がいます。
しかし、転職活動で評価されるのは、派手な実績だけではありません。
むしろ大切なのは「再現性のある仕事ぶり」や「日々の取り組み方」だったりします。
たとえば、
- ミスを防ぐために確認作業を工夫していた
- 周囲と連携を取るために声かけを意識していた
など、一見当たり前に見えることでも、伝え方次第でしっかりとアピールにつながります。
それでも不安になるのは、「こんなこと、誰でもやってる」と思ってしまうから。
ですが、“誰でもやってることを、やり続けてきた”という事実は、信頼される強みになるのです。
他人と比べて劣って見えてしまう
SNSや転職サイトの成功体験談を目にすると、「自分にはこんなに語れることがない」「この人と比べたら自分なんて…」と感じてしまうことがあります。
ですが、他人の自己PRはその人のベストの瞬間を、伝え方を工夫して表現しているだけであって、日常的な姿とは限りません。
比べて落ち込む必要なんてないのです。
そもそも、企業が求めているのは“入社後にどんな形で貢献してくれるか”というリアルな人物像。
誰かと比べて優れているかどうかよりも、「自分らしさが伝わっているか」のほうが、よほど重要です。
「正解」が分からず、手が止まってしまう
自己PRには明確な「正解」がないため、何を書けばいいのか迷いがちです。
「これはアピールになるのか?」「企業にどう伝わるんだろう?」と考えるほど、手が止まってしまう人も少なくありません。
ですが、自己PRに必要なのは“相手に伝わるエピソードを、分かりやすく整理すること”です。
- 強みは何か?
- それがどう行動に現れたか?
- 結果としてどう評価されたか?
この3つの流れを意識するだけで、自分の経験がしっかりとしたアピール材料になります。
最初から完璧な文章を作る必要はないので、まずは書き出して、あとから整えるスタンスで作っていきましょう。
「自分には何もない」は思い込みかもしれない
スキルや実績以外にもPRできることはある
自己PR=スキルや資格、華やかな実績。
この先入観を持っていると、何もない人は落胆して次に進むことができません。
実際、企業が見ているのは「肩書き」だけではありません。たとえば…
- 真面目にコツコツ取り組める姿勢
- 周囲とのコミュニケーション力
- 小さな気配りや、責任感のある行動
こうした“人柄や姿勢”も、立派な自己PRの材料になります。
採用する側にとっては「この人と一緒に働きたいか」が非常に重要です。
スキルの高さよりも、“一緒に働く上で安心できるかどうか”が重視されるケースはよくあります。
小さな経験を発見する自己分析の方法
「何もない」と感じてしまう時ほど、過去の自分の行動を振り返ってみることが大切です。
難しく考えず、以下のような質問を通して小さな経験を掘り起こしてみましょう。
- 周りからよく頼まれることは?
- 自分なりに工夫したことはある?
- 人に喜ばれたエピソードは?
- 大変だったことをどう乗り越えた?
たとえば、「新人に声をかけていた」「業務の進め方を自分なりに工夫した」といったエピソードでも、言語化して伝えることで“協調性”や“改善力”としてPRになります。
何もない人なんていません。
単純に、まだ見つけられていないだけです。
他人の視点(他己分析)で見えてくる強み
自己分析がうまくいかないときは、「他人の目」を借りるのも効果的です。
- 友人や家族、元同僚に「自分ってどんなところが長所っぽい?」と聞いてみる
- 過去の評価・感謝された言葉を思い出す
自分では当たり前すぎて気づかなかった長所が、他人から見れば「それすごいじゃん!」ということもよくあります。
たとえば「報連相が丁寧」「説明がわかりやすい」といった特徴も、立派な強みです。
“強み”は自分の中に隠れていて、「他者との違い」を通して初めて見えてくるもの。
自分一人では見えなかった良さを、他人の視点で掘り起こしてみましょう。
素材が見つかったら「伝え方」を工夫しよう
「自分にアピールできることは見つかったけど、どう書けば伝わるのかわからない」
そんなときに重要なのが、伝え方の型です。
なぜなら、ただ経験を並べるだけだと、面接官の印象には残らないから。
読んだ相手が「なるほど、この人と一緒に働いてみたい」と感じるように、順序と表現を工夫しましょう。
「結論→行動→結果」の構成で伝わるPRに
自己PRでは、「何が強みか」だけを伝えても、説得力は弱くなってしまいます。
そこで使いたいのが、「結論 → 行動 → 結果」という基本の型です。
【責任感を伝えたい場合】
【結論】私は、状況に応じてやるべきことを自ら見極め、行動に移す力があります。
【行動】前職では、納期が迫った案件でスケジュールに遅れが出そうな状況になった際、指示を待たずに他部署と連携をとり、自分で業務フローを再構築しました。
【結果】結果的に、予定通り納品を達成でき、上司からは「状況判断と行動力に助けられた」と評価されました。
この流れに沿って伝えることで、「口だけではなく、行動と結果で証明されている強み」だと感じてもらいやすくなります。
ほかの具体例↓
【粘り強さを伝えたい場合】
【結論】私は、目標に向けてコツコツと努力を続けられる粘り強さがあります。
【行動】運動不足を感じていたことから、ランニングを習慣にしようと決め、まずは週3回・1回30分のペースで走ることから始めました。最初は体力的にもきつく、何度もやめたくなりましたが、走る時間を固定したり、少しずつ距離を延ばすなど、自分に合ったやり方を工夫しながら続けました。そして「1年後にフルマラソンを走る」という目標を立て、地道に練習を重ねてきました。
【結果】1年後、初めてのフルマラソンで無事に5時間で完走できました。この経験を通じて、どんなことでもあきらめずに取り組み続けることで成果に繋がるという自信を持つことができました。
【プレッシャーに強いことを伝えたい場合】
【結論】私は、プレッシャーのかかる場面でも落ち着いて冷静に行動できるタイプです。
【行動】以前、アルバイト先のカフェで、急なスタッフ欠勤により昼のピークタイムにほぼ1人で接客を任されたことがありました。注文が集中し、店内も混雑していましたが、パニックにならないように、まずは提供順の整理と、待ち時間が長くなりそうなお客様には一言声をかけることを意識しました。店内の状況を見ながら調整を行い、なんとか大きなクレームもなく乗り切ることができました。
【結果】その後、店長から「落ち着いていて安心して任せられる」と声をかけられ、以降は忙しい時間帯のリーダー的な役割を任されることも増えました。
「企業が知りたいこと」を意識した表現にする
自己PRは、自分が言いたいことだけではなく、企業が知りたいことにも配慮する必要があります。
たとえば、以下のような視点を持つと、よりマッチした表現になります。
- その強みは仕事でどう活かされるのか?
- チームで働く上でどんな影響を与えられるか?
- その経験は、なぜ応募企業にフィットするのか?
「ただ真面目に頑張った」ではなく、「だからこの企業で活かせる」とつなげてあげることで、読んだ面接官に「一緒に働くイメージ」を持ってもらいやすくなります。
具体例↓
【粘り強さを伝えたい場合】
【結論】私は、目標に向かって地道に取り組む継続力があります。
【行動】社会人になってから運動不足を感じ、体力づくりの一環としてランニングを始めました。最初は数百メートルで息が上がるような状態でしたが、「まずは週2回続けてみる」と決め、雨の日や忙しい日でも時間をやりくりしながら続けてきました。結果として、1年後にはフルマラソンを完走できるまでになりました。
【結果】この経験から、自分は「少しずつでも積み重ねを続けることで、大きな目標を達成できるタイプ」だと実感しました。業務の中でも、すぐに成果が出ないタスクに対しても焦らず着実に取り組み、信頼される存在を目指していきたいと考えています。
抽象語を避けて、具体的に描写するコツ
「協調性があります」「主体的です」などの抽象的な表現だけだと、どうしても伝わりにくくなります。
そこで、
- 協調性があります → 複数部署が関わるプロジェクトで、全体のスケジュール管理を引き受け、遅れている担当者に自分から連絡・フォローした
- 主体的に行動できます → 飲食バイトで新人の注文ミスが続いていたため、シフト中に声掛けとオーダー処理の復習を自主的に行った
こうした「場面の描写」+「自分の行動」を加えるだけで、強みがリアルに伝わるようになります。
自己PRは「自慢話」ではありません。
自分の中にある『当たり前の努力』を、相手に届く形で伝えることが目的です。伝え方を少し工夫するだけで、印象は大きく変わります。
転職エージェントを使えば、自己PRの悩みはこう解決できる
「何をアピールすべきか」が一緒に見つかる
自己PRが書けない人の多くは、「そもそも何を強みにすればいいのか」が整理しきれていません。
しかし転職エージェントを使えば、担当者との面談を通じて、あなたの過去の経験や行動から企業が評価しやすいポイントを一緒に掘り下げてくれます。
たとえば、「ただ真面目に働いていただけ」と感じていた経験も、
- 「業務改善にコツコツ取り組んでいた」
- 「ミスを減らす仕組みを考えていた」
といった要素が見つかることがあります。
このように、自分では当たり前だと思っていたことを客観的に価値あるエピソードへ変えてくれるのが、プロの視点です。
実際の応募企業に合わせた自己PRが作れる
転職サイトなどに掲載する自己PRは、どの企業にも使えるように作ることが多いので、印象が薄くなりがちです。
対して、転職エージェントを通じて応募する場合は、担当者が応募先企業の特徴や選考の傾向を把握しているため、「この企業ならどう伝えるのが効果的か」まで含めてアドバイスしてもらえます。
たとえば同じ「コミュニケーション能力」でも、
- 営業職なら「顧客との信頼関係づくり」
- 事務職なら「部署間の調整力」
- 接客職なら「お客様の要望をくみ取る力」
といった形で、職種や企業の文化に合わせた言い回しへブラッシュアップしてくれます。
結果として、書類通過率が上がる、伝わる自己PRに仕上げられるのです。
エージェントが人事にアピールポイントを伝えてくれる
転職エージェントを通じた応募では、担当者が企業の採用担当者に「推薦コメント」を添えてくれるケースがあります。
これは、履歴書や職務経歴書だけでは伝わりきらない強みを、第三者の言葉で補足してくれるものです。
たとえば、
- 「未経験ではあるものの、面談を通じて意欲と学習姿勢が非常に高いと感じました」
- 「責任感が強く、前職では周囲を支える動きが自然にできていました」
といった形で、企業に対してプラスの印象を与えてくれます。
自分では言いづらい「強みの裏付け」を、エージェントが代弁してくれることで、選考突破の可能性を一段と高められるのです。
自己PRに悩む人におすすめの転職エージェント
転職エージェントを使うと、自己PRの悩みを多角的にサポートしてもらえます。
とはいえ、エージェントも多数あるため「自分に合うサービスを選ぶ」のが大切です。
以下に、若手・経験浅めの方でも相談しやすく、サポートが丁寧なエージェントをピックアップしました。
UZUZ
\UZUZを利用してみる/
ハタラクティブ
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第二新卒エージェントneo
どのサービスも無料で利用でき、登録後は日時を決めて担当者との面談が始まります。
「自己PRが書けない」と悩んでいるなら、一人で悩むより先に、相談したほうが大きな一歩になるかもしれません。
まとめ|自己PRは“自分の中”から見つけられる
自己PRがうまく書けないからといって、「自分には価値がない」などと考えてはいけません。
原因の多くは、「何を・どう伝えればいいか」が整理しきれていないだけです。
事実として、強みは一人ひとり異なります。
だからこそ、自己PRの正解は一つではなく、「誰かにとって魅力的に映るかどうか」が重要になります。
そのためには、自分の経験を客観的に振り返り、採用側の視点を意識した表現に磨き上げていく必要があります。
今回紹介した方法や考え方を通じて、「伝え方の型」を知り、「第三者の視点」を取り入れることで、誰でも自己PRの精度は高めていくことができます。
もし一人で整理が難しいと感じたら、転職エージェントのサポートを受けるのも有効な選択肢です。
限られたチャンスを最大限活かすために、できることを1つずつ実行して、納得のいく転職を成功させていきましょう。